あさとら 投資日記

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記憶した1日後よりも4日後の方が覚えている! 東京大学薬学部教授・池谷裕二氏推薦!!の図書

今週のお題「テスト」ということで、最近の読書から興味深かったものを一つ紹介。

 

直感とは異なる「事実」から、学ぶことが多い。

最近、読んだ書籍の中で、そうした直感と異なる事実として実用的だと思ったのだが、ベネディクト・キャリーの「脳が認める勉強法」だ。

 

◎著者は、ベネディクト・キャリー (Benedict Carey) ニューヨーク・タイムズ』紙サイエンスレポーターということだが、たくさんの学術論文等に準拠し、丁寧に調べてあり、且つ、読み物としても面白く仕上がっており、ジャーナリストというものはかくあるものかと舌を巻いた。

ベネディクト・キャリー (Benedict Carey)
コロラド大学卒業後、ノースウェスタン大学大学院でジャーナリズムの修士号を取得。
フリージャーナリストを経て、『ロサンゼルス・タイムズ』紙の記者として脳科学、医療、健康の記事を執筆。2002年にはミズーリ大学ライフスタイル・ジャーナリズム賞を受賞した。
2004年より『ニューヨーク・タイムズ』紙の記者となり、
神経科学、精神医学、神経学、日常の心理学を主なテーマとして活動している。
読者からのメールがもっとも多い人気記者のひとりで、25年にわたって科学と健康の記事を書き続けている。

橘玲が幾つかの書籍で、パラダイム・シフトのあった分野の重要なものとして脳科学を挙げており、なるほどと頷いていたものだが、まさに本書はそうしたパラダイム・シフト後の「読む価値がある」本だと思う。

もっとも効率のいい最新の記憶法・勉強法を徹底解明。
この一冊で、あなたの勉強習慣が一変する!  

 とあり、単純に、効率的に勉強する方法を知るという目的で読んでもよいが、(その場合のポイントメモは後段の通り)、何よりも面白いなと感じたのは、

 

勉強した次の日のテストで忘れていた答えを、4日後に思い出す

ということを発見したイギリスの教師の話等で、

え、そうなんだっけ?

といった直感とは異なる脳の性質が幾つか分かって面白かった。できれば、もっと若いときに知りたかったが。。

 

また、当たり前のこと、なんとなく分かっていたことだが、

「一夜漬けは有効!」

ということも、科学的に繰り返し実験されていたそうで、

一方で、

「一夜漬けをしたのは、短期記憶になってしまいがち」

 

ということらしく、ここらへんも科学的に検証しなくとも、なんとなく直感でわかる事ではあるが、改めてよくわかった。

一方で、一夜漬けで得た知識も、一定の感覚で繰り返し分散して学習することで、長期的な記憶となり、一過性ではない知識として身につけられるといったことも書かれている。 

 

ということで、もしも学生の皆さん、一夜漬けで頑張るのも有効だけれども、その4日後に復習して、そのまた2週間後に復習して、、とやっていくことによって、より豊かな知識が付きますよ。おすすめですよと伝えたい。

 

脳が認める勉強法

脳が認める勉強法

 

 

 

目次のうち、赤字にしたものが記憶をつける良い方法だ。もっと知りたい人は書籍を買うべきだろう。

【主な目次】
《Part1》脳はいかに学ぶか

第1章: 学習マシンとしての脳
──記憶という生命現象を解き明かす

第2章: なぜ脳は忘れるのか
──記憶のシステムを機能させる忘却の力

《Part2》記憶力を高める

第3章: 環境に変化をつける
──いつもの場所、静かな環境で勉強するのは非効率

第4章: 勉強時間を分散する
──一度に勉強するより分けたほうが効果的

第5章: 無知を味方にする
──最善のテスト対策は、自分で自分をテストすること

《Part3》解決力を高める

第6章: ひらめきを生む
──アイデアの「孵化」が問題解決のカギ

第7章: 創造性を飛躍させる
──無から有をつくりあげる「抽出」のプロセス

第8章: 反復学習の落とし穴
──別のことを差し挟む「インターリーブ」の威力

《Part4》無意識を活用する

第9章: 考えないで学ぶ
──五感の判別能力を学習に活用する

第10章: 眠りながら学ぶ
──記憶を整理・定着させる睡眠の力を利用する